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Rough Draft
封神演義(藤崎版)の健全SSが中心。そのほか、北方水滸伝も話題に出るそんなブログです。
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2024/11/23 (Sat) 05:14
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2009/11/19 (Thu) 16:30
ご無沙汰していてすみません。

就活始動、論文佳境。
単位は常に綱渡り。
でもまだサイト続けるよ!←

昨日友達とお絵描き大会をしたけれど、やはり自分は文書きのほうが向いている、気がした。
でも女の子の足を描くのはたのしすぎる←

さてリハビリも兼ねて、自然な会話練習をしてみる。



If I was a bird…………………

「どう思った?」

「?」
「初めて空を飛んだ時」
「どう…」


豊邑城の一番空に近い屋根上に、王と軍師が、並んで寝そべる。

「…そうだのう、初めて馬に乗ったようだったかのう」
「馬ぁ?…本当かよ」
「うむ。お主もしたであろう?馬の背に乗って、何処へでもゆける気が」

「…ああ、したな」

互いの顔を見ることもない。
空への視線。
至極適当な、適切な距離感で彼らは仰向けになっていた。


「飛びたくなったか?」

「…んいや」

王は寝たまま伸びをしながら答える。

伸びでためた息を鼻から吐き、

「何処でも行けるのはおもしれぇけど。 俺だけどっか行ったってしょーがねぇだろ」

「ほお。何故」


「俺がひつよーなんだろ。ここの皆には」

俺がひつよー、なのか。
武王が必要、なのか。
青臭い問いかけだが、とりあえず自分はここにいなければいけないらしい。


「…うむ」

本当は、逆だろう。
王の孤独は、多分、本人も気付かないような所で彼を包んでいる。
「わかっておるならよい。その分皆を労ってやるのだ、…わしも含めてな」
にやり、と軍師が笑う。

王は、悪ガキのような顔をして笑う。
「なんだ、エラソーに。あんまりエラソーだとお前の今日の点心モモマンは抜きだ」

「お…おぬし卑怯だぞ」
「お前に言われたくねぇな」

からからと笑うと、武王はよいしょ、と身体を起こした。
「さて、邑姜にどやされてくっか」

「バットで殴打されるでないぞ」
寝そべったまま、軍師は王の背中に言った。

「大丈夫、あいつは暴力振るったりはしねぇって」
ひらひら手をふり、武王は降りて行った。

「…邑姜のやつ、わしには暴力ばかり振るいおった癖に…」

厨房に飛んで行って邑姜の点心を盗み食いしてやろうかとふと思ったが、とりあえずは、もうしばらく秋晴れを楽しむことにした。


fin.

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2009/08/26 (Wed) 00:23


蝉玉と土行孫。

ちょっと、美化したかもしれない。苦笑
なんにせよ、私は蝉玉がうらやましくて仕方がないのだと思う。

ゆるぎなく、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 

愛してるわ、ハニー。
どんなときだって、そして、いつまでだって。
 

「おぬし、よく飽きぬのう」
「飽きないって、何に?」
「そいつだ、そいつ」

いつものように、土行孫を抱きしめている蝉玉。
それを見ていつものようにあきれている、太公望。
今日はいつも思っていたことがどうにもこらえきれなくなって、ついに聞いてしまったのだ。

「飽きることなんて、あるわけないじゃない。ハニーより魅力的なヒトなんて、居るわけないわ」
「ほぉ」
「・・・」
土行孫はもう何も言うまいと思ったのか、無気力に黙りこくっている。

「まあ、よい。土行孫、おぬしの師匠が玉虚宮で呼んでおったぞ。早く行け」
「お、おぉ。ありがとよ。じゃ、そういうことだから俺は行くぜ」

ここぞとばかりに土にもぐり逃げ出そうとする土行孫だったが、蝉玉がそれを許すはずもなかった。
「あぁっ、ハニー、私も行く!」
「・・ぉい!」

「蝉玉」

見かねた太公望が声をかけた。

「なによっ」
「師匠だぞ。行かせてやれ」
「・・・わかったわよ」

しぶしぶ蝉玉はその手を離し、土行孫は逃げるように土の中をもぐっていった。
彼のもぐっていく跡を見つめる蝉玉は、いつもは見せない寂しさをにじませていた。

「ハニー・・・」
 

「・・のう、蝉玉」

名を呼ばれて、ゆっくりと彼女が振り向く。

いつもはそのかっとばした言動のせいであまりそういったイメージは見えないが、
こうした彼女の一瞬の仕草を見ると、彼女もまた良家の娘であり、
美しさをたたえていることに気づく。

この女に想われておるというのは、土行孫の奴、自分が思うより不幸ではないと思うがのう。

「とやかく言うつもりはないが、あまり無理をさせるでないぞ」
「・・・無理ってなによ」
「いや・・・」
「私は、私はハニーを守るの。だから、一緒にいたいの。ハニーさえ居れば、私は強いから」
「では、土行孫は、どうなるのだ?」
 

ふ、と一瞬蝉玉は口を閉じて、次の瞬間、華のような笑みを浮かべた。

「あのヒトは、あんなふうにしてるけど、大丈夫なの」
「何ゆえに?」
 

「だって、ほら」
 

促されて太公望が山のほうへ目を向けるとそこには。
 

「・・・なるほどのう」

掘られて盛り上がった土の上にさりげなく、さっきまでなかったひなぎくの花が一輪置かれていた。
たぶん彼が帰ってきたら、知らん振りをするのだろう。
彼女はその花をいとおしそうに拾い上げて、そっと髪に差し、強く微笑んで見せた。

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