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Rough Draft
封神演義(藤崎版)の健全SSが中心。そのほか、北方水滸伝も話題に出るそんなブログです。
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2024/11/23 (Sat) 09:57
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2009/07/24 (Fri) 22:14

今まで書いたことない、読んだことない人物の話を書いてみたくて思いついたのが彼でした。
・・・長いかも。

脇役、な彼だけど、彼が居ないと封神は成り立たないのです。


flyingdragon・・・・・・・・・・・・・

「パパ!」
「あなたっ!」

それはまだ、ボクがご主人のもとに来る前の話ッス。



スープーパパ-彼が独身だったころの名前は誰も知らない-はその日、瀕死になりながら愛する家族の待つスープー谷に帰ってきた。
スープーママは彼の姿を見るなり彼にすがりつき、涙をこらえながらスープーシャンにベッドの用意をさせ、夫をベッドに寝かし付けて、つきっきりの看病を始めた。

いったい、どうして?
なんでパパが、こんな目に?

母の憔悴ぶりを見ていたらとてもそんなことは聞けず、
スープーは戸惑いながら、父の勤め先でもある崑崙山へ薬を受け取りに行く日々をすごした。
その崑崙でも、父の大怪我の理由は誰に聞くことも出来なかった。

何日か経った頃。
「ただいまッスー・・あれ、ママ!」
「あら、おかえり、スープーシャン。毎日毎日、ありがとう」
父が帰ってきてから付きっ切りだった母が、なんだか嬉しそうにキッチンに立っている。

「パパが、やっと目を覚ましたのよ!今まではずっとお薬と仙桃エキスだけだったけど、目覚めたら流動食からって言われていたの。ちょっとおかゆが続くけど、ママがんばっちゃうから!カップケーキは我慢してね、スープーシャン・・あらま」

最初の一言を聞くや否や、スープーシャンはもらってきた薬もそのままに、父の寝室へと飛んでいった。

「パパ・・パパァ!」
「・・スープーシャンか」
「パパ・・め、さましたっスね、パパ、よ、よかったッス・・うぅ・・パパァ」
「こらこら、泣くんじゃないですネェー、スープーシャン。男の子でしょう?」
「うう・・ひっく」
寝室にたどり着いてみれば、そこには確かに寝台から少し身を起こした父が居た。
1週間寝たきりになっていたせいで、心なしか肉が落ち、小さくなったような気がする。
でも紛れもなく、父は目を覚ましていた。声もすこし力なかったが、紛れもなく父のものだった。

「だって・・だってパパ死んじゃうかも知れないって思ったッスよ!」
「心配をかけましたネェー。でももう、大丈夫デスよ」

肩をぽん、とたたかれて、スープーシャンは自分でも衝動が抑えられなくなって、聞きたくて仕方なかった事を訊いていた。
「パパ・・・どうしたッスか、そのケガ。普通に朝、お仕事って言って出かけていったっスよね?
パパ・・ずっと教えてくれなかったけど、パパの御仕事って、いったい何をしてるっスか?
ボクに、お前もきっとおなじ仕事に就くからそのうちわかる・・・って、ボクはいったい何をするッスか?
何で、なんでそんなケガ」
「おちつくデスネェ、スープーシャン」

父は彼をベッドサイドにおいたイスにすわらせると、静かに語りだした。
「元始天尊さまを知っているね」
「はい、パパの上司さんッス」
「パパは、元始天尊さまの乗り物をしている、いや、していたですネェ」
「・・のりもの?元始天尊さまの・・?」
「そうですネェ。私たち霊獣にとって、立派な仙人や道士におつかえすることはこの上ない名誉ですネェ」
「・・・すごいっス!!パパは、この世で一番の仙人さまにお仕えしてるっスね!仙人の誰かの乗り物をしてるのは知ってたッスけど、なんで今まで言ってくれなかったっスか?パパは、ボクの誇りっスよ」
「まあ聞くですネェ。スープーシャン、元始天尊さまがどんなお仕事をしているか、知ってるですネェ?」
「元始天尊さまのお仕事・・・お弟子さんにけいこをつけることッスか?」
「それだけじゃないですネェ」
「え?」
「元始天尊さまは、崑崙の仙道みんなを守るために、ときに戦わなければならないのですネェ」
「・・・戦う・・って、じゃあ、パパのそのケガは」

父は静かに頷いて、スープーシャンの顔を見た。
「乗り物の仕事は名誉、しかし、名誉ということは危険もついて回るのですネェ。今回元始天尊様を守りぬくことは出来たデスが、次に趙公明が攻めてくれば、また元始天尊様をお乗せしてお守りすることは、難しいかもしれないですネェ」
「じゃあ、ボクたちに言わなかったのは・・・」
「乗り物である霊獣になにかあれば、元始天尊さまのお役にたつことが出来なくなるですネェ。そんな卑劣なことをしてくる仙道はなかなかいないデスが、言うわけにはいかなかったですネェ。・・許してほしいですネェ、スープーシャン」
「・・・・」

スープーシャンは、とても不安な顔をして、うつむいていた。
「・・・ボクも、戦いに出るっスね」
「そうなるかも、しれないですネェ。元始天尊さまの乗り物は、スープー一族が代々担ってきたですネェ。」
「ボク、・・・・ボク、パパみたいに、戦えないッス。パパみたいに大怪我して、危ない目にあって、・・それでも、お一人のご主人をお守りできるかなんて、・・こわいッス、ボク」
「スープーシャン」

スープーシャンが顔を上げると、今まで父が見せたことのない顔をしてスープーシャンの目を見ていた。
「ご主人に命をかけておつかえする。これが霊獣の血、そして代々元始天尊さまにお仕えしてきたスープー一族の血に流れる誇りですネェ。お前にもこの血が流れているのです。不安に思うことがあろうと、その血が流れている限り、お前にはそれを出来る勇気があるのですネェ。それにお前はきっと、元始天尊さまに勝るとも劣らない、忠義を尽くすご主人にめぐり合うですネェ」

「・・・え・・・」

元始天尊様以外の?

そう聞こうとした時、丁度母が3人分のおかゆをお盆にのせて入ってきて、それ以上聞くことは出来なかった。
まだ幼いスープーシャンは完全に父の言ったことを理解したわけではなかったけれど、
ただスープーシャンがわかったのは、

父が誇りを持って仕事をしていたこと。
その父が、自分にもきっとできる、といってくれたこと。
それが、なんだかとても心強くて、父がとてもかっこよく見えたこと、その3つだった。

久しぶりに3人で食べた食事は味が薄かったけれど、今まで食べたおかゆの中で一番おいしかった、とスープーシャンはおもった。


「ゆくぞ、スープー!」
「ラジャーッス!」

そして今彼は、彼の唯一の主人を見つけた。
彼は戦いになるといろいろセコい手は使うし、気がつくと怠けてばかりだ。
元始天尊さまに勝るとも劣らないのかはそのへんよくわからないが、

「ここを乗り越えたら、休憩するとするかのう」
朝歌まで突っ走った後は必ずこうして休息をくれるし、
なんだかんだで自分よりもスープーのことを考えていたりする。

そんな彼の「ご主人」のためなら、父のように倒れても自分は主人を守ろうとするだろう。
そんなことは考えなくても、もう彼の体がそう動くようになっていた。

「休憩ばっかじゃないっすか」
そういいながら、スープーはふわりと宙を舞った。

 

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2009/07/24 (Fri) 18:56
北方水滸伝16巻読破!
ぶっ通して読んでいるため15巻との内容の境目があいまいなんだけど、ちょっと感想をまとめてみる。

○林冲と史進
この2人が好きすぎる。なにこの似た者兄弟(違うけど)。二人揃ってワガママ(彼ら曰く依頼)言ってみたり、一緒に焼饅頭食べてみたり、なんだか兄弟にも見えるし部活の先輩後輩にも見えてくる。
本人たちが特に親しいとか思っているわけじゃなくても「馬が合う」感じの彼らを見ていると、素直に「こういう関係いいなあ」と思う。
たぶん友情、なのかな? 先輩と後輩の場合の親しさをうまく表す言葉を良くはしらないけど。

この二人恐れられる事はあるけど、なんだかんだ好かれてると思う。林冲は梁山泊のなかで一番(かどうかは知らないが)「友達」多いんじゃないか。魯智深、安道全、白勝、公孫勝(笑)。
ちなみに私は一緒に腕食べたコンビがかなり好きです。あと見られるんかなあ…。あ~、魯智深さまー!
史進は皆の弟かつ若年チームの皆の兄貴な感じで李俊とタメはってればいいと思う。読み始めたときにほぼ同い年だったからなんだか友達が中に居るみたいな感じで彼の所を読んでしまうんだけど、彼が成長するのを見るとなんだか自分と重ねてしまう。いつのまにか年上の部類に入ってくとかね。
なんだか他人とは思えないキャラになりつつあります。
まあ彼のもつ才能とか覚悟には到底敵いませんが。

史進的な旦那がほしい←え

○水軍フリーダム
度々お邪魔してるサイト様で水軍のフリーダム具合を読んでいて「水軍こんな感じだったっけ?」と、水軍をつかみきっていなかったんだけども、賭けの話でようやく「あ、水軍フリーダム」だという事を理解した(笑)
あの賭け、今の状態(17巻前半)だとどういう結果になってるんだろう…

○強い男も強い女の前ではヘタレである←結論
李立と小七ドンマイ。
…いや、それだけじゃなくて。
顧大嫂みたいな女性になりたいと思った。女としての強さって、ああいう強さを言うんじゃないかなあ。
彼女を支える物ってなんだろう。記憶?志?与えられた仕事?
それを知ることが出来たら少し彼女に近づけるような気がする。

○子午山に籠りたい
楊令と張平を見てると人の正しい育ち方を見ている気分になる。
自分も叩き直されたい(他力本願)
それは無理だけどせめて彼らに恥じない生活をしたいもんだ。
という訳で働くよ…生きるために…!←

だらだら書きましたが要は史進が猛烈に気になるという話でした。(笑)

前は魯智深・林冲・楊志が不動!だったんだけどなあ。

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