太公望と普賢。
二人がこの時代個別で黄巾に乗れたかの記憶は定かではない(汗。
prologue,・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「望ちゃん」
水面に向けていた視線をふと後ろに向けると、普賢が今自分の腰掛けている大きな岩の下に立っていた。
「・・どうしたのだ」
また水面に視線をもどし、多少うっとうしそうに太公望は言った。
岩を軽々と登り、普賢は太公望の隣に腰を下ろす。
「白鶴が、君の様子を見に行ったら部屋に居なかったって大騒ぎして、僕のところに来たんだ。僕は大丈夫だろうと思ったんだけど、一応ね。・・やっぱり、ここにいると思った」
「・・・・」
「大丈夫、心配しないで」
君がここに居ることは、誰にも言わないから。
「まったく、白鶴もおせっかいなやつだのう・・元始天尊さまもほっとけと言ったであろうに」
「でもそこが、白鶴のいいところじゃない」
「確かにそうだが、ありがた迷惑、というやつだ」
そうかなあ、と小さく言って、普賢は空を仰ぎ見た。
「封神計画・・だっけ」
「・・・」
「妲己を倒して、平和な人間界を築く・・望ちゃんがずっと望んでいたこと、でしょう?」
「・・・うむ」
「何を、ためらっているの?」
水面を見る太公望の目が、ふと伏目になった。
こういうときの望ちゃんは、何も見ていない。普賢はそれを知っていた。
「・・おぬしには、言ってもよいか・・」
「口は固いよ」
「恐いのだ。今まで60年修行をして、宝貝ももたぬわしが、あの皇后を本当に倒せるのか?わしはおぬしのような十二仙でもない。うわさに聞く楊戩のような天才でもない。なのになぜわしなのだ?妲己を倒すのなら適任者は他におるのではないのか?」
「ねえ、望ちゃん。前にもこうして、釣りしながら話したことがあったね」
「・・ああ、釣り針をもらった、あのときか」
「そう。・・そのとき、言ったよね。君の心には、ギラギラ光るものがあるって」
「・・うむ」
「きっと元始天尊さまにも、それが見えていたんじゃないかな。それは僕にも、楊戩にもない。」
「わしが何かを持っているとでも言いたいのか?」
「だって、そうでしょう?」
「そうは、思えぬがのう」
「少なくとも望ちゃんは、僕の力を持っている。僕の持つ力が僕のためにあるとは、僕は思わない」
「普賢」
太公望が普賢に顔を向けた。
「これだけじゃ、不足?」
太公望に目を合わせて、いつもと変わらないように普賢は笑う。
「・・・」
「それに、望ちゃんがずっと恐れていたことは・・望ちゃんが妲己に敗れることじゃなく、他の誰かが妲己を倒して、君の理想とは違う人間界を作ってしまう。そういうことではないの?」
「・・・」
「望ちゃんの理想は、望ちゃんが描くべきだよ。より強く自分の理想を描いた者に人は力を託すんだ」
僕の描く理想は、きっと君の描く理想に付随した世界だから。
「・・普賢」
望ちゃんの目が、光を宿したように僕には見えた。
「何?」
「わしは、理想は描かん」
「え?」
「理想というのは現実の対義語ではないか。理想を理想のままにする気はわしにはない」
「・・・あ」
望ちゃんが、ニヤリと笑う。
「おぬしのおかげだ、普賢。枷が外れたように頭がさえてきおったぞ。こうしちゃおれん、準備をせねば!」
そういうと、あっという間に自分の乗ってきた黄巾力士にとびのってしまった。
「・・これで僕も任務完了、ってとこかな」
実は僕がここに来たのは、元始天尊さまに尻をたたいて来いと言われたから、だったのだけど。
それも本当は必要ないんじゃないかと思っていたけど、来て見てよかったみたいだ。
「あ。望ちゃん、竿を忘れてる」
釣竿を拾い上げると、普賢も自分の黄巾力士に向かって、のんびりと歩き出した。
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